日本バーベキュー協会ファンダー、下城民夫からの提言
バーベキューは日本最大規模のレジャー産業
日本のバーベキュー人口は約2110万人と言われています(2011年レジャー白書調べ /年に1回以上バーベキューをする参加人口)。
これを単純計算すると、5人に1人は年に1度、どこかでバーベキューを楽しんでいるということになります。国内に2500箇所もコースがあるゴルフ人口でさえ500万人ですから、この2110万人という参加人口がどれほどの規模であるかがおわかりになると思います。
バーベキューは日本最大規模のレジャー産業なのです。
日本バーベキュー後進国
先進国で日本ほどバーベキューをする環境が整っていない国もありません。周りを見渡してみてもBBQが快適にかつ合法的にできるバーベキュー場やスペースがどれほどあるのでしょうか?
ほとんどの人たちが後ろめたい気持ちを持ちながら、BBQに必要なコンロや水、そして炭捨て場などのない普通の河原やビーチ、あるいは緑地公園などに車いっぱいの機材を持ち込み、なんとかバーベキューをやっているのが現実なのです。
もちろん私は、バーべキューをバーベキュー場でしなければならないと教条的に言っているわけではありません。
海外の事例として、バーベキューパーク先進国といわれるオーストラリアのバーベキューシーンをご紹介しましょう。
海外の先進的なオーストラリアのバーベキューパーク事例
オーストラリアでは、普通の市民が気軽にバーベキューを楽しめるよう”パブリックバーベキューグリル”という機材が公園や河川敷、海岸などに無数に設置してあります。
パブリックバーベキューグリルのほとんどは電気式で、炭を持ち込む必要はありません。通常は無料ですが、コインを入れると一定時間鉄板が熱くなりバーベキューができるものかつてはありましたが現在ではほとん見かけなくなりました。
バーベキューグリルの周辺にはバーベキューを楽しみためのテーブルベンチやトイレ、ゴミ箱、照明などが据え付けてあるので、わざわざバーベキュー道具を持ち込む必要がありません。
バーベキューは国を代表する食文化である
バーベキュー先進国の欧米ではバーベキューは食文化として捉えられています。
この食文化としてのバーベキューをひとつの見本と日本はその仕組みや歴史を学ぶ必要があります。そして日本からの新たなバーベキュー文化(たとえば海洋国家らしいシーフードバーベキューなども)を世界に発信することも日本バーベキュー協会の重要な役割の1つと考えています。
利用者はパークちかくのスーパーなどで食材を買うだけ
日本バーベキュー協会は、このような状況を改善すべくバーベキューに関わる諸団体や個人を結束し、情報の交換や集約を通じて、参加人口2110万人にふさわしいマーケットの創造と日本型の新しいバーベキュー文化の構築をめざしています。
【2006年、下城民夫が日本バーベキュー協会を設立】
上記のようなことから2006年に世界中のバーベキューを取材を通じて体現してきた下城民夫が日本バーベキュー協会を設立しました。
世界最大最古のバーベキュー協会「カンザスバーベキュー協会」からの学び
世界にはそれぞれにお国や地域でバーベキュー協会(barbecue associationやsocietyと呼ばれてます)がたくさんあります。バーベキュー文化の先進国のアメリカにおいては全米各州にあるといいっても過言ではないほどたくさん設立されています。その中でも最大規模で最古参なのが通称KCBSと呼ばれるカンザスシティバーベキュー協会(Kansascity barbecue society)。
KCBSはアメリカの伝統的なバーベキュー文化を守り継続せて広くアメリカに普及させることを目的に1986年に設立されました。カンザスバーベキュー協会のサイトからその設立意図を以下に転載します。
“The mission of the Kansas City Barbeque Society is to celebrate, teach, preserve and promote barbeque as a culinary technique, sport and art form.”
カンザスバーベキュー協会はバーベキューを単なる食事・料理文化としてだけでなく、技術・競技・芸術として 祝福し、教育・保存・普及 させることが目的です。
とても高尚な設立意図です。このミッションに大きな刺激を受けました。
日本バーベキュー協会はカンザスバーベキュー協会出会いから大きな影響を受けました。
日本でもこのようなバーベキュー文化を担う組織が必要との思いから日本バーベキュー協会は生まれました。
欧米諸国に比べあまりにも日本のバーベキュー文化のレベルが低いこともあります。まずバーベキューが日本にとっても重要な食文化だということも認知されていません。
バーベキュー産業の拡大も
日本のバーベキュー人口が約2110万人という日本でも最大クラスのレジャーにも関わらず、それを楽しむ場である快適で安全な公共バーベキュースペースの少なさ、バーベキューに必要な各種関連道具の乏しさ(野外焼肉用のグリルではなくバーベキュー専用のぐりるなど)、本来の楽しみ方を間違っているなどバーベキューという食文化とレジャーとしての本質を理解していないため、日本のバーベキュー文化や肉などの料理技術が大きく遅れをとってしまったのです。
そしてゴミ放置問題や迷惑行為のなどバーベキューをする人々の無知さやモラルの低さ、法的な対処なども大きな社会問題にもなっています。
産業面においても本来ならばバーベキューが牽引する衣食住マーケットも拡大していないなど全てにおいてあまりにもレベルが低すぎたのです。
その現状を打破するため、「日本バーベキュー協会」を設立しました。
日本でも人と人のコミニケーションの食文化として大きく発展させることが目的です。
バーベキュー文化を発展させるには”スマートバーベキュー”が必要
日本バーベキュー協会のプリンシプルであるスマートバーベキューの実践のために
あたらに”4つの定義”を与えました。
1、自分に優しいバーベキューを目指す 自分が楽する
2、ゲストに優しいバーベキューを目指す ゲストも楽できる
3、環境に配慮したバーベキューを目指す 環境に影響を与えず継続できる
4、社会貢献としてのバーベキューを目指す 家族や仲間を思いやる
ゴミを持ち込まない工夫や、調理を簡単かつ安全に行う為の「バーベキュー三種の神器」、食材をより美味しくかつ無駄にしない「チャコールテイアウトメソッド」など、新たな海外からの知識を導入しバーベキューをより手軽にそして安全に楽しめる基本的な指針が『スマートバーベキュー』です。
そしてスマートバーベキューかの実践的な行動指針とし作られたのが、
スマートバーベキューのためのバーベ九則です。
バーベキュー文化の担い手としてバーベキューインストラクターを養成
日本のバーベキューをより進歩させるためには海外で発展してきたバーベキュー文化を学びその知識とフィロソフィを知ることが必要。
協会の設立した翌年2007年に日本初のバーベキュー資格であるバーベキューインストラクターの育てるための資格制度「バーベキュー検定」を考案しをスタートしました。
日本にも本格的なバーベキュー文化を作り出すためには”バーベキュー”を正しく理解している人を作り出すことが重要と考えたからです。
知識とフィロソフィを受け継いだバーベキューインストラクターこそがその指導者となる人です。
日本のバーベキューを変えるバーベキュー検定スタート
日本バーベキュー協会公認のバーベキューインストラクターになるためにはバーベキュー検定での
座学と実技の講習を受け試験に合格するのが条件となっています。
正しい知識と技術を持ったバーベキューインストラクターが日本人の焼肉バーベキューを日本での新たなバーベキュー文化へと引き上げることを願っています。
日本バーベキュー協会のあゆみ(現在製作中)
